ドローン音の組み合わせに関する試み & 鵜殿「ヨシ」観察会のご案内
前回A=415Hz対応のC管ヒュンメルヒェンについてお知らせいたしましたが、その製品で行ったもう一つの新しい試みが、テナードローンをC/Dだけでなく、Eにも切り替えられるようにしたことです。
複数ドローンがついているバグパイプはたくさんありますが、多くの場合はオクターブ違いの同じ音か、調和度が高い五度の音の組み合わせ(「ド」と「ソ」の関係にあたります)になっていて、C(「ド」)とE(「ミ」)の組み合わせのバグパイプの演奏は私も聴いたことがありませんでした。理論上はCとEの和音も綺麗に響きますから、d-minor用にDへの切り替え対応バスドローンを作っていた際に、C/Eの組み合わせの可能性にも興味が湧いてきて、テナードロンでEも出せるようにしてみました。
そこで上記415Hzの楽器の納品の際、試奏もかねてC/Eの組み合わせで録画したビデオがこちらです(したがってピッチはA=415Hzです)。少し前にアップしたので、既にご覧頂いた方もおられるかもしれません。演奏している曲は、ガイタのKojiKojiさんもよく演奏されているAlborada de Veigaです。http://www.youtube.com/watch?v=C1kZYhTT2Qg
このドローンの組み合わせで実際に演奏してみると、なかなか面白い効果が出ましたので、ヒュンメルヒェンだけでなく他のバグパイプでも、オプショナルドローンとして取り入れてみようかとも考えています。
バグパイプには様々な種類があり、ハイランドパイプスのように楽器としての仕様がほぼ固定された中で、演奏技術やスタイルが発展しているものもありますが、楽器そのものの機能や表現可能性の拡大について研究・開発が続けられているバグパイプも少なくありません。また、かつて存在していたバグパイプについても、分からないことはまだまだ沢山あります。我々製作者にとって、バグパイプは未だに広大なフロンティアです。
鵜殿のヨシ・観察会のご案内
話は変わりますが、以前本ブログで何度か淀川・鵜殿のヨシについてご紹介をさせて頂きました。この鵜殿のヨシの観察会が11月13日に開かれるそうです。「ヨシ」はかつてはスウェーディッシュ・バグパイプに使われていたタイプの葦と同種(Phragmites australis)だそうで、私も日本産のリード素材として注目しています(既にプレトリウス・ドゥダイで利用してみました)。現地は大阪府高槻市ですので、関西在住でご興味のある方は、ハイキングもかねて参加されてはいかがでしょうか。(詳細は以下の通り)
集合時間・場所:11月13日(日)午前10時に国交省山崎出張所前(高槻市上牧町4-55-1、駐車場無し)。阪急電車京都線上牧駅から徒歩20分。電車の高架を通り171号線を渡る。金光中学高校前の水路に沿い淀川方向へ。堤防上の建物が集合場所「山崎出張所」。
参加費:無料
講師:小山弘道先生
持ち物:昼食、飲物、雨具、歩きやすい服装・靴
お申込:鵜殿クラブ(udono@ares.eonet.ne.jp)迄ご連絡下さい(締切11月11日)。
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2011/10/30/8454
バグパイプ工房 そのだ
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