カテゴリー「ガイタ」の記事

2012年4月 8日 (日)

ガイタのプラクティス・チャンターのモデルチェンジをしました。

 ハイランドパイパーにプラクティス・チャンターは必須アイテムですね。実物のハイランドパイプスを自宅で思う存分練習出来る、という環境に恵まれている人は、あまり多くないと思います。私も日本にいた頃は、室内ではもっぱらプラクティス・チャンターを使い、パイプスは相模川や茅ヶ崎海岸、神戸に引っ越してからは六甲アイランドで練習したものです。

 このように、プラクティス・チャンターは室内で手軽に運指の練習ができるスグレモノなのですが、不思議なことにハイランドパイプス以外のバグパイプでは、プラクティス・チャンターは一般的ではありません。ハイランドパイプスの場合、音量が桁外れに大きいためでしょうが、その他のバグパイプもそれなりの音量はあり、プラクティス・チャンターがあればいいな、と思うことも少なくありません。

 というわけで、実は私は工房開業時からガイタのプラクティス・チャンターも作っています。最初はホームページにも載せていたのですが、ホームページ更新の際に作り直そうと思って削除したまま、ずっとほったらかしにしていました。こんな具合で、あまり宣伝にも力を入れていなかったのですが、どこから聞きつけたのか、たまに問い合わせが来ることもあって、欧州のお客様用に何本か作ったこともあります。

 さてこの度、ちょうどアフリカン・ブラックウッドの在庫がある時に、日本のお客様からガイタのプラクティス・チャンターのご注文を頂きましたので、この機会に構造や音孔配置も含めて全面的にモデルチェンジをし、ホームページでの宣伝も再開いたしましたので、お知らせします(今のところ欧文HPのみの掲載ですが、日本語HPも近く関連ページを作成します)。

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サンプル映像(デラックスモデル):http://www.youtube.com/watch?v=gAHMNUI4yC0

サンプル映像(廉価モデル):http://www.youtube.com/watch?v=Q24DnhhCQ2w

その他の写真:http://www.bagpipesonoda.eu/EN-GaitaPC.html

 ただ、ハイランドパイプスとは異なり、多くのガイタは1オクターブ半の音域を持っています。これに対し、ガイタのプラクティスチャンターの音域は1オクターブ+1音で、そこが難点といえば難点です。これは、プラクティス・チャンターでは、室内向けに音量を小さくする必要上、チャンター内部をストレート・ボア構造(同じ直径でまっすぐに貫通させる)にしてあるためで、通常この構造では、キーの助けを借りない限り、第二オクターブは出ないからです。ちなみに、ハイランドパイプス用のプラクティス・チャンター、あるいはスコティッシュ・スモールパイプスも、ストレートボアの構造です。

 しかしながら、トラッドなガイタの曲のほとんどは、このプラクティス・チャンターの音域内で収まりますし、拙訳の「ガイタのすべて」でも著者のFoxo先生が書かれている通り、第二オクターブが出ないガイタもありますので、特に初心者の方が室内でガイタの運指練習をするには十分役に立つものと思います。

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2012/04/08/12491

バグパイプ工房 そのだ

欧文ホームページ:http://www.bagpipesonoda.eu/

日本語ホームページ:http://homepage3.nifty.com/bagpipesonoda/

2011年2月 1日 (火)

お知らせ:ガイタ・ガレガ独習用DVD教材が、日本の代理店で購入できるようになりました

 11月28日の記事でご紹介したガイタ・ガレガ独習用DVDが、日本の「アイリッシュフルートネットショップ」でもお買い求め頂けるようになりました。

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 本DVDは、拙訳書のガイタ・ガレガ教則本「ガイタのすべて」(Os Segredos da Gaita)のレッスンに対応していますので、併用してご利用頂けます。

 なお、日本でこのDVDと教則本を取り扱って頂ける書店・楽器店さんを、引き続き募集しております。ケルト系音楽や欧州民族音楽の書籍、CD等を扱っておられるお店はもちろん、その他のお店でもご興味を持って頂けるようでしたら、是非お気軽にご連絡下さい。(bagpipesonoda@mbr.nifty.com

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2010年11月28日 (日)

ガイタ・ガレガ独習用DVD教材入荷!

拙訳書のガイタ・ガレガ教則本、「ガイタのすべて」(Os Segredos da Gaita)(http://bagpipesonoda.air-nifty.com/blog/BagpipeMediaTutor.html)に対応した教則DVDを、以前ご紹介したオレンセ県立バグパイプ学校から取り寄せました。

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この教則本をお買い上げ頂いた方から、「視聴覚教材があると助かる」というご要望を頂いたため、同校に相談したところ、英語サブタイトル付のDVDを作ったとのことで、早速に送ってもらいました。手作り感あふれる教材ですが、実際の演奏を交えた初心者向けの指導を視聴することができますので、日本でガイタを練習したい、という方には有用な内容と思います。詳細はこちらをご覧下さい。http://bagpipesonoda.air-nifty.com/blog/BagpipesMediaDVD.html

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2010年11月25日 (木)

「バグパイプ」でアメージング・グレースを吹きたい方へ(その2) & ガイタとアイリッシュ・ブズーキのセッション!

先日、ヒュンメルヒェンでの「アメージング・グレース」をご紹介しましたが、ガイタで演奏するとこんな感じになります。→ http://www.youtube.com/watch?v=7CkdfX4nUWg

ガイタを演奏していらっしゃるのは、日本初(多分…)のプロ・ガイタ奏者、KojiKojiMohejiさんです。ちなみに、6月の「ガイタの全て」日本語版のお披露目記者会見(本ブログ10月2日の記事参照)でのプレゼンテーションで、KojiKojiMohejiさんの演奏をご紹介したのですが、オレンセ・バグパイプ学校のFoxo教授をはじめ、ガリシア人の方々にも大好評でした。

KojiKojiMohejiさんは、今回このほかにもいくつかのビデオを投稿しているので、ご覧下さい(以下URL)。

今回の一連のビデオでは、アイリッシュ・ブズーキと演奏している点も興味深いですね。現在、世界的に有名なガイタ奏者の多くは、色々な楽器とのセッション・パフォーマンスをしています。アイリッシュやスコティッシュといった他のケルト系音楽を取り入れるのはもちろん、ピアノやオーケストラと合わせたり、ポップス風に演奏したり。KojiKojiMohejiさんのほかにも、広島を中心に演奏活動をしているケルティック・バンドHARMOのRyuさんが、演奏にガイタを取り入れています。日本でも、若いガイタ演奏者が活躍し始めたのは、頼もしい限りです。…と、オヤジのような感慨にふけりながら、今日はドイツ人のおねーちゃんから注文を受けた、A管ガイタ(大きい)のリードを作ってました。腱鞘炎悪化。

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2010年10月 3日 (日)

ガリシア州・Verinのバグパイプ・フェスティバル

先の二つの記事の続編です。記者会見とバグパイプ学校訪問に引き続き、翌6月12日にはポルトガルとの国境に近いVerinという小さな町に移動し、そこで行われるバグパイプ・フェスティバルに参加させて頂きました。この催しは、毎年Verin郊外の小高い丘にある古城の中庭で毎年行われるもので、色々な国から招待されたバグパイプ奏者が演奏を披露する野外コンサートです。夜7時頃に始まりますが、夏至が近く、またガリシアは欧州で最も西に位置する地域ですから、まだまだ明るく、地元の人たちがくつろいだ格好で多く見物に来ていました。今年は、地元ガリシアのバンドや演奏家のほかに、イタリア、セルビア、スコットランドのバグパイプ奏者やバンドが演奏しました。スコットランドからは、日本のハイランドパイパーの皆さんの間でもお馴染みのIain MacDonaldさんが参加。私は人前での演奏が苦手なので、普段は演奏活動をしていないのですが、今回の連絡を受けた時点で既にプログラムに組み込まれており、自作のガイタ型ヒュンメルヒェンとドゥディをちょこっと演奏して、ささっと退場いたしました。

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<写真上段左より>

→ 町の観光案内所に掲示されていたフェスティバルのポスター。

→ 会場の古城 Castelo de Monterrei。

→ 城からの眺め。

→ カーニバル衣装に身を包んだVerinの人たち。

<写真下段左より>

→ Verinのガイタ・バンド。彼らと上記カーニバルの衣装の方たちとは、思いがけず2ヵ月後にチェコで再会することになります。

→ セルビアのバグパイプ&フルートデュオのBoro君とStevanic君。お二人とも大変すばらしい演奏家で、とても礼儀正しい青年でした。

→ Real Bandaの女性メンバーによるコーラス。

→ フィナーレ。Real Bandaと胡弓(中央の白い衣装の人)の合奏という珍しい組み合わせでした。

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オレンセ県立バグパイプ学校を訪問

先日書いた日本語教則本出版の記者会見にあわせ、オレンセ県立バグパイプ学校(Escola Provincial de Gaitas)に、同校の校長Foxo氏(例の教則本の著者です)をたずねました。この学校では、ガイタとドラムの講師7名が指導にあたっておられ、練習室、視聴覚教室、資料室、バグパイプ博物館を備えた、ガイタの本場ガリシアでも最大級のガイタ教育施設だそうです。

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写真上段左から

→ 校舎。

→ 生徒の楽曲習得状況を示すボード。左横軸には生徒の名前、上横軸には課題曲が記されていて、曲をマスターしたらそこにピンを刺していきます。

→ 練習室。壁にはズラッとガイタがかかっています。これらのガイタは学校の所有で、生徒に貸与されるそうです。

→ 校内のバグパイプ博物館。様々なガイタ・ガレガはもちろん、ヨーロッパ各国の珍しいバグパイプが展示されており、バグパイプ好きの人なら一日いても飽きないでしょう。

写真下段左から

→ 私の大好きなガイテイラ、クリスティー ナ・パトの写真。彼女もこの学校の卒業生です。このほか、カルロス・ヌニェスやフレッド・モリソンもここでガイタを学んだそうです。

→ この学校の講師と生徒で編成される王立バンド(Real Banda)は、日本にも来ていました!1996年、長崎での写真。

→ 校舎の裏にある、バンド練習用の円陣。

→ 校長のFoxo氏(右端)とご家族。中央でガイタを持っている青年はご子息のMarcoさんで、2009年のガイテイロ・ソロコンペティションのチャンピオンだそうです。またこの日はテレビ番組の撮影があり、ビゴの放送局のクルーのお二人も一緒に写っています。

なお、この学校では、講師の都合さえつけば、短期のガイタレッスンを受けることも可能だそうです。本場でガイタを学びたい方は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。バグパイプ博物館だけでも一見の価値があります。

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2010年10月 2日 (土)

ガイタ日本語教則本出版記者会見 in ガリシア

大分前の話題になってしまうのですが、6月11日にスペイン・ガリシア州のオレンセで、ガイタ日本語教則本「ガイタのすべて」の出版についての記者会見がありました。この本の原書はガリシア語版ですが、英語版も出ており、それを私が日本語に翻訳させて頂いたものです(本の詳細はこちら→ http://homepage3.nifty.com/bagpipesonoda/J-Os%20Segredos%20da%20Gaita.html)。そこで、著者のFoxo氏と共に本書のお披露目をし、これに加えて日本のバグパイプ事情をご紹介するプレゼンテーションの機会を頂きました。プレゼンテーション資料の作成にあたっては、日本のガイテイロ(ガイタ奏者)である東京のKさん、埼玉のYさん、広島のHARMOというバンドでガイタを演奏されている藤岡さん、そしてCeltic Ceili 2010実行委員の須藤さんに、写真や映像のご提供をいただきました。遅ればせながら、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

記者会見と質疑応答は30分ほどで済み、その後近所のバールで昼食をとっていたら、店内のテレビで記者会見の模様が放送され、ガイタを吹いている自分の顔がいきなりどアップで出てきたので、こっぱずかしい思いをしました。バグパイプ奏者なら共感頂けると思いますが、演奏中の顔はアップで写して欲しくないですよね・・・。ちなみに、この本の著者のFoxo氏が率いる王立ガイタ・バンド「Real Banda」では、ふいご式ガイタも導入していますが、ふいご式は演奏中に顔が崩れないので、女性メンバーが優先して演奏するとか。

記者会見については、地元の新聞にも掲載されました。デジタル版はこちらでご覧いただけます→ http://www.ourensedixital.com/_novas/10/06/12_06.htm

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