ガイタのプラクティス・チャンターのモデルチェンジをしました。
ハイランドパイパーにプラクティス・チャンターは必須アイテムですね。実物のハイランドパイプスを自宅で思う存分練習出来る、という環境に恵まれている人は、あまり多くないと思います。私も日本にいた頃は、室内ではもっぱらプラクティス・チャンターを使い、パイプスは相模川や茅ヶ崎海岸、神戸に引っ越してからは六甲アイランドで練習したものです。
このように、プラクティス・チャンターは室内で手軽に運指の練習ができるスグレモノなのですが、不思議なことにハイランドパイプス以外のバグパイプでは、プラクティス・チャンターは一般的ではありません。ハイランドパイプスの場合、音量が桁外れに大きいためでしょうが、その他のバグパイプもそれなりの音量はあり、プラクティス・チャンターがあればいいな、と思うことも少なくありません。
というわけで、実は私は工房開業時からガイタのプラクティス・チャンターも作っています。最初はホームページにも載せていたのですが、ホームページ更新の際に作り直そうと思って削除したまま、ずっとほったらかしにしていました。こんな具合で、あまり宣伝にも力を入れていなかったのですが、どこから聞きつけたのか、たまに問い合わせが来ることもあって、欧州のお客様用に何本か作ったこともあります。
さてこの度、ちょうどアフリカン・ブラックウッドの在庫がある時に、日本のお客様からガイタのプラクティス・チャンターのご注文を頂きましたので、この機会に構造や音孔配置も含めて全面的にモデルチェンジをし、ホームページでの宣伝も再開いたしましたので、お知らせします(今のところ欧文HPのみの掲載ですが、日本語HPも近く関連ページを作成します)。
サンプル映像(デラックスモデル):http://www.youtube.com/watch?v=gAHMNUI4yC0
サンプル映像(廉価モデル):http://www.youtube.com/watch?v=Q24DnhhCQ2w
その他の写真:http://www.bagpipesonoda.eu/EN-GaitaPC.html
ただ、ハイランドパイプスとは異なり、多くのガイタは1オクターブ半の音域を持っています。これに対し、ガイタのプラクティスチャンターの音域は1オクターブ+1音で、そこが難点といえば難点です。これは、プラクティス・チャンターでは、室内向けに音量を小さくする必要上、チャンター内部をストレート・ボア構造(同じ直径でまっすぐに貫通させる)にしてあるためで、通常この構造では、キーの助けを借りない限り、第二オクターブは出ないからです。ちなみに、ハイランドパイプス用のプラクティス・チャンター、あるいはスコティッシュ・スモールパイプスも、ストレートボアの構造です。
しかしながら、トラッドなガイタの曲のほとんどは、このプラクティス・チャンターの音域内で収まりますし、拙訳の「ガイタのすべて」でも著者のFoxo先生が書かれている通り、第二オクターブが出ないガイタもありますので、特に初心者の方が室内でガイタの運指練習をするには十分役に立つものと思います。
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2012/04/08/12491
バグパイプ工房 そのだ
欧文ホームページ:http://www.bagpipesonoda.eu/
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