チェコの国際バグパイプフェスティバル(その1)
実は、チェコはバグパイプ大国です。特に南ボヘミア地方では、伝統民族楽器のドゥディ(Dudy)と呼ばれるバグパイプが盛んに演奏されています。私のホームページで少し触れていますが、ドゥディは隣国のドイツ、オーストリアでも使われており、ドイツ語名はボック(Bock・山羊の意)といいます。毛皮のバッグ、山羊の頭をかたどったチャンターストック、角のついたチャンターとドローンが特徴です(下写真参照)。
このバグパイプ、ドイツやオーストリアでは一旦廃れてしまい、最近になって愛好家が増えてきたものの、残念ながら世間での知名度は高いとは言えません(私が昔勤めていたミュンヘンの会社に、このバグパイプのドイツ語名と同じ名の「Bockさん」という人がいましたが、彼女も全然知りませんでした)。一方、バグパイプに全く縁のないチェコ人数人に聞いてみたところ、全員が「ああ、ドゥディね」と即座に回答。演奏はしなくても、楽器のことはよく知っているようでした。チェコといえば、日本にもファンが多い、かわいいモグラが主人公のアニメ「Krteček」が有名ですが、その中で小鳥がこのバグパイプを演奏するシーンがあります。
さて、前置きが長くなりましたが、このようにチェコ・ボヘミアではバグパイプの伝統が受け継がれています。そのボヘミアの南西部にあるストラコニツェという町では、二年に一度、8月の終わりに「国際バグパイプフェスティバル」が開かれます。主役はもちろんDudyですが、「国際」というだけに、実に様々な国のバグパイプを見ることが出来ます。ぱっと思いつくだけでも、Highland (Bagadも!), Gaita Galega, Northumbrian , Uillean, Gajdy, Gaida, Sackpipa, Zampogna, Flemish, Duda, Medieval、その他名称不明の様々なバグパイプがライブで聴けます。町の中心にあるストラコニツェ城にステージが設置されてメイン会場となるほか、公民館や映画館でもコンサートやレクチャーが行われます。城周辺には工芸品や食べ物、そしてチェコ名物のビールの出店がたくさんでますし、あちこちで偶発的なパフォーマンスがあるので、バグパイプ好きの人だけではなく、大人も子供もみんなが楽しめるお祭りです。
今年はここでスタンドを出し、工房で作ったバグパイプの展示を行いました。このお祭りについては今後何回かに分けて、記事を書こうと思います。
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バグパイプ工房そのだ
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